「体を温める食べ物を食べましょう」とよく言われますが、何を食べれば温まるのか、具体的にはピンとこないことも多いですよね。
じつは、食材にはそれぞれ「体を温める」「体を冷やす」という性質があります。東洋医学・薬膳の世界では古くからこの性質を「温性・涼性」と分類し、体のバランスを整えるための食の知恵として受け継がれてきました。
このシリーズ③では、薬膳の考え方をベースに、毎日の食卓で実践できる「食べる冷えとり」をご紹介します 🌿
薬膳の考え方——食材には「体への作用」がある
東洋医学では、すべての食材は体に対して何らかの作用を持つと考えます。その作用のひとつが「温性・熱性・平性・涼性・寒性」という5段階の分類です。
| 性質 | 体への作用 | 食材の例 |
|---|---|---|
| 温性・熱性 | 体を温め、血流を促す | 生姜・シナモン・ニンニク・ニラ・羊肉 |
| 平性 | 体への影響が穏やか | 米・卵・鶏肉・じゃがいも・キャベツ |
| 涼性・寒性 | 体を冷やし、熱を鎮める | きゅうり・トマト・バナナ・豆腐・緑茶 |
「冷やす食材=悪い食材」ではありません。夏の暑い時期に体の熱を鎮める「涼性」の食材は必要なもの。大切なのは季節・体調・自分の冷えのタイプに合わせてバランスをとることです。
体を温める食材——カテゴリー別ガイド
🫚 スパイス・薬味(最強の温活食材)
生姜(しょうが)
冷えとりの代名詞。生姜に含まれるジンゲロールは、加熱するとショウガオールに変化し、体の深部を温める作用が高まります。生姜は「生で食べる=体の表面を温める」「加熱・乾燥させる=体の芯から温める」という違いがあります。冷えには加熱した生姜がより効果的です。
シナモン(桂皮)
漢方では「桂皮(けいひ)」として多くの処方に使われる重要な温め食材。血管を拡張し、末端への血流を促す作用があります。ホットドリンクに振りかけるだけで手軽に摂れます。
ニンニク・ニラ・ネギ・玉ねぎ
硫黄化合物(アリシンなど)を含み、血流を促進する作用があります。毎日の料理に積極的に取り入れたい薬味です。
🥕 根菜類(大地のエネルギー)
土の中で育つ根菜類は、東洋医学では「陽性食材(体を温める)」として分類されます。食物繊維も豊富で腸を整える効果も。
| 根菜 | 冷えとりへの働き |
|---|---|
| 人参 | β-カロテン豊富。血液をつくる働きをサポート |
| ごぼう | 食物繊維が豊富。腸を温め、腸内環境を整える |
| 蓮根 | 血流促進・むくみ解消の作用が知られる |
| さつまいも | ビタミンE豊富。血管の酸化を防ぎ末端の血流をサポート |
| かぶ・大根 | 消化を助け胃腸を温める。加熱することで温性が増す |
根菜は生で食べるより煮る・蒸す・焼くことで温め効果が高まります。根菜たっぷりの温かいスープやお味噌汁は、最も手軽な冷えとり食のひとつです 🌿
⚫ 黒い食材(腎を養う)
東洋医学では「黒い食材は腎を補い、冷えをとる」と言われています。「腎」は体の生命エネルギーの源とされ、冷え・老化・ホルモンバランスとも深く関わる概念です。
- 黒ごま — ビタミンE・鉄分・カルシウム豊富。ホルモンバランスにもよい
- 黒豆 — イソフラボン・アントシアニン豊富。血流改善作用
- 黒米・黒麦 — アントシアニンが豊富で抗酸化作用が高い
- ひじき・わかめ — 鉄分・ミネラルが豊富。貧血予防に
🫙 発酵食品(腸を温め、代謝を上げる)
「整う、腸活ノート」シリーズでも学んだ発酵食品。腸内環境を整えることは、腸の産熱機能を高め、全身の代謝を上げることにもつながります。
- 味噌 — 大豆発酵食品の代表。温かいお味噌汁は体の芯から温める最強ドリンク
- 納豆 — ナットウキナーゼが血液の流れをよくする作用が報告されている
- ぬか漬け・キムチ — 乳酸菌が腸内環境を整える
- 甘酒 — 「飲む点滴」とも呼ばれるほど栄養価が高く、体を温める効果も
🐟 タンパク質(熱産生の材料)
②で学んだように、体の熱の40%は筋肉が産生します。筋肉の材料となるタンパク質をしっかり摂ることが、産熱能力を維持するうえで欠かせません。
- 羊肉(ラム) — 薬膳では最も強力な温め食材のひとつ
- 鶏肉 — 温性。消化しやすく体を温める
- 鮭・えび・たこ — 血流を促進するアスタキサンチン・タウリンが豊富
- 卵 — 平性で体への負担が少なく、栄養バランスが優秀
体を冷やす食材・食習慣——注意したいもの
❄️ 冷たい飲み物・食べ物
体を冷やす最大の原因のひとつが冷たいものを摂りすぎることです。特に冬でも冷たい飲み物を飲む習慣がある方は要注意。内臓が冷えると消化力が低下し、代謝が落ちます。
常温〜温かい飲み物に切り替えるだけで、内臓冷えの改善を感じる方も多いです。
🍌 南国フルーツ
バナナ・マンゴー・パイナップル・キウイなどの南国フルーツは、東洋医学では「寒性・涼性」に分類されます。栄養価は高く優秀な食材ですが、冷えが強い方は摂りすぎに気をつけましょう。食べるなら常温で、量を控えめに。
🍬 白砂糖・精製食品
白砂糖は「寒性」に分類され、血糖値の急上昇・急降下を招き、自律神経のバランスを乱します。甘いものが欲しいときは、黒砂糖・はちみつ・メープルシロップなどの「温性」の甘味料を少量選ぶのがおすすめです。
🥗 生野菜の摂りすぎ
サラダをたくさん食べることは健康的に見えますが、生野菜は「涼性」のものが多く、体を冷やす原因になることがあります。特に冷えが強い時期は、野菜を温かく調理する(スープ・蒸し野菜・炒め物)ことを意識しましょう。
調理法も「温活」になる
同じ食材でも、調理法によって体への作用が変わります。
| 調理法 | 温め効果 |
|---|---|
| 煮る・蒸す・焼く | 熱を加えることで「温性」が強まる |
| 生・冷やす | 食材の「涼性」がそのまま体に作用しやすい |
| スパイスを加える | 生姜・シナモン・唐辛子を加えることで温め効果アップ |
| 発酵させる | 発酵によって栄養の吸収率が上がり代謝を促す |
毎日の食卓に取り入れるヒント 🌿
朝:温かい飲み物からスタート
白湯・生姜入りのお湯・味噌汁。冷えた体を芯から目覚めさせましょう。
昼:根菜を使った温かいランチ
根菜スープ・味噌汁・炊き込みごはんなど。外食のときもスープ付きのものを選ぶと◎。
夜:消化に優しい温め食
夜は消化力が落ちるため、胃腸に負担をかけない温かい食事を。鍋料理・煮物・雑炊など。
間食:甘いものは「温める」ものを
ホットドリンク・黒糖入りの和菓子・ナッツ類など。冷たいアイスや甘い炭酸飲料は控えめに。
まとめ
- 薬膳では食材を「温性・平性・涼性」に分類し、冷えには温性食材を積極的に摂る
- 生姜・シナモン・根菜・黒い食材・発酵食品・良質なタンパク質が温め食材の代表
- 冷たい飲み物・南国フルーツ・白砂糖・生野菜の摂りすぎは体を冷やす原因に
- 調理法も大切:生より加熱、スパイスをプラスすることで温め効果が上がる
- 朝の白湯・根菜スープ・温かい味噌汁を習慣にするだけで体の変化を感じやすくなる
食べることは、毎日体に「温め」を贈ること。食卓から始まる冷えとりを、ぜひ楽しんでみてください 🌸
次回予告 🌿
次回は【整う、冷えとりノート④】温活ルーティン|入浴・ツボ・運動・重ね着で整える毎日の習慣。
食事と並んで重要な「生活習慣からの温活」。効果的な入浴法・押さえておきたいツボ・運動の取り入れ方・冷えとりファッションのコツまで、毎日実践できる温活ルーティンをご紹介します 🌿
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